Multi-tenant building in Hattori Tenjin

服部天神のテナントビル

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テナントビルのリノベーションである。

1971年に建築されたこのビルは、交通量の多い交差点の道路境界線ぎりぎりに建築されている。

長年使われてきた既存店舗の過剰な装飾や看板とともに前面の歩道に圧迫感を与えており、ビルのエントランスにおいては、扉を開けると歩道に越境してしまう状態であった。

しかし、交差点に面した隅がRに切り取られているなど、当時の設計者の配慮が伺え、外壁に設けられた開口はカーテンウォールや新建材で覆われた現代のビルとは違うタイプの奥行を持っていた。

全く違うファサードを新たに形成するのではなく、長年そこにあり続けたビルとして、この街に貢献できないかと考えた。

ビル本来の魅力を引き出すために既存の装飾を全て剥ぎ取り、歩道に限界まで迫ったビルの1階をセットバックさせ、余白を作り出し、この余白を通して歩道と店舗、ビルのエントランスを接続させる。

余白という曖昧な空間は庭先や店先の縁側のように機能し、店舗や歩道が拡張されたように感じられる。

一見特徴のないように見えるビルを注意深く観察し、そっと手助けするように改修を行なった。

長年、圧迫感を与えていたビルが新たに挿入された中間領域により街並みにゆとりを与え、外壁のやわらかなカーブが交差点のシンボル的な存在になることを望む。


所在地:大阪府豊中市
用途:テナントビル外観・エントランス改修(1971年築)
構造:RC造テナントビル
竣工:2022年


設計:小田真平建築設計事務所 小田真平
グラフィックデザイン:グリーンポイントデザイン キンモトジュン
照明計画:大光電機 村西貴洋
施工:アンドエス
写真:山内紀人